世界子どもの日“World Children’s Day”ってどんな日?
日本ではあまり知られていませんが、11月20日の「世界子どもの日(World Children’s Day)」は世界のこどもたちの相互理解と福祉の向上を目的として、1954年に国連によって制定されました。
その後、1989年に「子どもの権利条約」が制定されて、約30年。こどもたちがより良く・より健康に長く生きられるように、これまで世界各国が協力して環境や制度を改善してきました。
しかし、貧困や環境問題などの理由で弱い立場に置かれたこどもたちは、依然として保健・医療や教育、身体的安全性の課題を抱えている状況も多くあり、権利の平等が保たれていないことも事実です。
「子どもの権利条約」の内容や重要性を知って、改めてこどもの権利について考える機会となるよう、現状の課題や取り組みについてご紹介していきます。
子どもの権利条約とは?
今から30年ほど前の1989年に国連で採択され、こどもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約です。日本は1994 年に批准(同意)しました。(※1)
出典※1 ユニセフ「世界こどもの日とは?」
この条約の定める権利には、具体的に以下の4つがあります。画像出典:ユニセフ「子どもの権利条約」
1. 生きる権利
・健康に生まれ、防げる病気などで命をうばわれないこと
・病気やケガをしたら治療を受けられること
・人間らしく生きていくための生活水準が守られること
など
2. 育つ権利
・自分の名前や国籍を持ち、親や家族と一緒に生活することができること
・教育を受け、休んだり遊んだりできること
・考えや信じることの自由が守られ、自分らしく育つことができること
など
3. 守られる権利
・あらゆる種類の虐待や放任、搾取、有害労働などから守られること
・障がいのあるこどもや少数民族のこどもなどは特に守られること
・戦争から守られ、犠牲になったこどもの心や身体が守られること
など
4. 参加する権利
・自由に意見を表したり、集まってグループをつくったり、自由な活動を行ったりできること
・プライバシーや名誉がきちんと守られること
・成長に必要となる情報が提供され、こどもにとってよくない情報から守られること
など
<現状の課題1> こどもの貧困
現在の世界を見わたすと、4人に1人のこどもが災害や紛争などの緊急事態にある国や地域で暮らしており、3億5,600万人近くのこども(6人にひとり)が、極度の貧困状態(1日1.90米ドル未満)で暮らしています。(※2)
また、日本のこどもたちの13.5%、およそ260万人(※3)が貧困状態にあると推計されます。
そして日本に暮らすこどもたちのうち、7人に1人が「相対的貧困」(※3)にあるといわれています。相対的貧困とは、その国や社会で多くの人たちが享受できている生活水準を送れない状態を指します。
出典※2 ユニセフ 「世界子どもの日とは?」
出典※3 厚労省(2019年)「国民生活基礎調査の概況」
<現状の課題2> 児童労働
児童労働に従事する5〜17歳のこどもは、2020年時点で約1億6,000万人-世界のこどもの10人に1人近くに相当します。うち女の子は6,300万人、男の子は9,700万人です。(※4)
児童労働の中でも、健康、安全、道徳面で有害な可能性が高い危険な労働、心身の発達を阻害する労働、人身売買やこども兵士の徴用、強制労働などは、「最悪の形態の児童労働」と定義されます。
「最悪の形態の児童労働」の中で最も多くは、危険な労働に従事するこどもの数で、2020年時点では7,900万人(児童労働に従事する子どもたちの約半数)にのぼっており、小学校に通えていないこどもも数多くいます。(※4)
出典※4 ユニセフ「児童労働」
できることから一つずつ
私たちの暮らしにかかせない、衣料品や生活用品の原料となる綿花の栽培においても、多くのこどもが働いている現実があります。
mu ne meはこれらの課題を少しでも改善しこどもの権利を守るために、1人1人が理解するだけでなく、大人とこどもが一緒になって行動することが大切だと考えました。
そして自分たちに何ができるか?を議論した結果、GOTS認証を受けているオーガニックコットンを使用してトッポンチーノを作ることにしました。
GOTS認証を受けるためには、様々な条件がありますが、その中でもmu ne meが最も大切にしていること、それは栽培〜生産までの全ての過程で児童労働が行われていないことです。
国内でも数少ないGOTS認証のオーガニックコットンを取り扱う工場に掛け合い、なんとか協力していただき実現することができました。
正当な価格で綿花が取引され、こどもが強制的に働かされることのない環境で育ったオーガニックコットンで製品を作ることにより、mu ne meは児童労働の減少に取り組んでいます。
こどもの権利が守られ幸せに生きることができる世界を目指して、これからも一歩ずつmu ne meは取り組みを続けていきます。